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【発見】国重要文化財「千葉県金鈴塚古墳出土品」の箱式石棺に石材加工痕跡~新たにわかった古代の技術~

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更新日:2024年02月29日

 市内長須賀にある金鈴塚古墳(きんれいづかこふん)で、国重要文化財箱式石棺(はこしきせっかん)に「矢穴(やあな)」と呼ばれる石材を分割したときにできる痕跡(こんせき)を新たに発見しました。

今回の特徴

 金鈴塚古墳は、古墳時代の終わりごろ(およそ1400年前)につくられた前方後円墳です。箱式石棺は、現在の埼玉県秩父地方で産出する緑泥片岩(りょくでいへんがん)でつくられています。
 箱式石棺の3D図を作成するため調査を行ったところ、「矢穴」と呼ばれる石材分割痕跡などを発見しました。「矢穴」を用いる石材分割方法には「矢穴技法」と「矢割技術」の2種があり、「矢穴技法」の日本での明確な事例は12世紀末頃で、このことから、箱式石棺の「矢穴」の痕跡は、「矢割技術」に伴うものと考えられます。
 このほか、石の表面の凹凸を手斧(ちょうな)のような工具で平たんに加工した痕跡も見つかり、昭和25(1950)年の発掘調査から70年目にして、初めて明らかとなりました。
 緑泥片岩製の石棺で「矢穴」が見つかったのは金鈴塚古墳が初めてで、日本における石材加工技術史を考えるうえで非常に貴重な発見といえます。
 また、くわしい内容は『木更津市史研究』第4号に掲載しました。

石棺写真と加工痕画像

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